2009年11月22日静岡新聞 Web NEWS

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屋根材、より軽く強く 駿河湾地震で関心高く
11/22 07:47

より軽く強い"瓦"の屋根を目指して、伝統的な陶器瓦の外観に近づけた金属や新素材の屋根材が次々開発されている。
8月11日の駿河湾の地震で屋根瓦の被害が目立った県内消費者の関心は高い。
昔ながらの瓦業界も、地震に弱いという「誤解」の払しょくに力を入れている。
磐田市の丸大鉄工は工場などで広く使われているガルバリウム鋼板(アルミと亜鉛でメッキした鋼板)の
屋根を住宅用に改良した「ワンダフルルーフ福瓦」を開発した。来年4月ごろからの販売開始を目指している。
見た目を瓦そっくりに加工したり、雨音を抑えたりする新技術は、静岡大や住宅会社と共同開発した。
重さは陶器瓦の3分の1からの5分の1程度。下地材は必要ない。
長松孝俊社長は「地震に強い安価な金属屋根として全国に販路を開拓したい」と意欲を見せる。
クボタ松下電工外装(大阪市)が2007年から販売している「ルーガ」は、セメントに
無数の気泡や補強繊維を混ぜた特殊素材の瓦。陶器瓦の半分の重さで、衝撃にも強い。
駿河湾の地震を機に葺(ふ)き替える家もあり、9月、10月と2ヵ月続けて県内への出荷量が全国一になった。
太田章静岡営業所長は「もともと静岡の施主さんの防災意識は高く、売り上げは順調に伸びている」と手応えを感じている。
取り扱い店のの一つのオレンジハウス(静岡市葵区)の中戸川豊社長は「外観は重厚な瓦そのもの。
陶器瓦から葺き替えても印象が変わらないと好評」と太鼓判を押す。
一方、「重い瓦が耐久性を下げるわけではない」と訴えるのは全日本瓦工事業連盟(全瓦連)。
阪神大震災級の揺れに耐える粘土瓦の施工基準も策定し、業界を挙げて品質向上に取り組んできた。
09年度は消費者や設計士向けの小冊子づくりに着手し、誤解の払しょくに本腰を入れている。
全瓦連加盟の県瓦屋根工事業連合会の鈴木隆義会長は「粘土瓦が日本の気候や文化に最も適していることは歴史が証明している。
「昔ながらの瓦は重くて地震に弱い」という誤解を解くことが業界の最優先課題」と危機感を募らせている。